倉敷市 塾 AEI若竹塾 寺西ブログ#4
2022/06/24
なぜ勉強をするのか?
大人になっても自問自答してしまいます。
いろんな答えがあるはずですし、
どんな答えにピンとくるかは人それぞれでしょう。
いろんな答えのうちの一つとして、
夏目漱石の「三四郎」にヒントがありました。
主人公の三四郎は、熊本から上京する汽車の中で、
ある髭の男性と、日露戦争後の日本について会話をします。
戦争に勝ったのだから、
「これから日本もだんだん発展するでしょう」
と言う三四郎に対し、
相手の髭の男性は「滅びるね」と否定します。
そしてこのように諭すのです。
「熊本より東京は広い。
東京より日本は広い。
日本より......日本より頭の中のほうが広いでしょう。
とらわれちゃだめだ。
いくら日本のためを思ったって贔屓の引き倒しになるばかりだ。」
何かにとらわれて物事を一面的に見てしまい、
判断を誤ってしまうということは、当時も今も避けたいものです。
それがたとえ善意からくるものであっても。
登場人物の口を借りて、夏目漱石は
「とらわれちゃだめだ。」
と警告しています。
そうならないために、
「頭の中を広くする」必要があります。
当時熊本から東京に出れば、その発展ぶりに驚き、
日本はこれからも発展するはずと感じるでしょう。
でも日本全体を見ると、また印象が違うかもしれません。
そして日本の発展と、数十年後に太平洋で戦うことになる
アメリカの発展を比べるとどうか、
それは歴史を見れば明らかです。
頭の中が広ければ広いほど=外の世界への知識が広ければ広いほど
正しい判断に近づきます。
その広さを得るのが勉強なのではないでしょうか。